A

 人間にとって心身ともに健康であることが理想的だが、新しく社会に出た若者たちは、時にはうまくいかないことに出会い、自信を失うこともあるだろう。経験から言うと、同僚や先輩の温かい言葉が耳に入らなくなってしまうのは、そういう、自分に自信がなくなったときであることが多い。その結果、今まで築いてきた人間関係まで壊してしまうことさえある。自分の周りの人たちを大切にして、助言(注2)を生かしていく気持ちを持つためには、まず自分のこれまでの努力を肯定的にとらえてみよう。結果が完壁でなくても、「よくやった」と自分自身に言えると、他の人の言葉も素直に聞くことができるようになる。

B

 社会人になったばかりの今、皆さんは仕事の厳しさや学生時代にはなかったような人間関係の複雑さに驚いていうのではないでしょうか。こんなはずではなかったと、抱いていた理想が崩れそうになることがあるかもしれません。特に、自分とは異なる価値観を持った上司や先輩から無理な仕事を頼まれたときなど、強くそう感じることでしょう。時には先輩の言葉につい反発(注1)したくなることもあるでしょう。しかし、そんなときにはまず相手の考え方を受け入れてみてください。信頼関係を築くにはある程度の時間が必要であり、その後で自分の考えを述べればよいのです。それまでは自分を抑えることも大切で、それが社会人として訓練でもあります。

 

(注1) 反発する:言い返す

(注2) 助言:アドバイス

 

1 AとBに共通して述べられていることは何か。

1 職場での人間関係を大事にするにはどうすればいいか。

2 職場で自分の努力を認めてもらうにはどうすればいいか。       

3 社会人になって職場で自信をなくした時、どうすればいいか。

4 社会に出て周囲の人と自分の考えが違った時、どうすればいいか。

2 AとBでは新社会人にどのようにアドバイスをしているか。

1 Aでは自分の価値観を重視することが大切だと述べ、Bではじぶんの努力してきた姿を振り替えることが大切だと述べている。

2 Aでは周りの人に自分の考えを伝えることが大切だと述べ、Bでは相手に認めてもらうことが大切だと述べている。

3 Aでは相手の考えを尊重することが大切だと述べ、Bでは自分の努力を認めることが大切だと述べている。

4 Aでは相手の意見を認めることが大切だと述べ、Bでは周りの人の言葉を聞くことが大切だと述べている。