会話の技術は、運転技術とよく似ています。ボーッと運転をしていると、事故を起こしかねません。たとえば、数人で楽しく盛り上がっているときに、いきなり入ってきて、自分の話を始める人がいます。あれは、高速道路に加速しないで進入してくる車のようなもので、本人は気づかなくても、入った途端にクラッシュ (注1) して入るのです。

 グループに加わりたいときは、まずって話を聞きことです。うなずきながらエンジンを温め、ほかの車と速度を同じくして会話に加わると、流れにうまく乗ることができます。

 その上で、自分の話ばかりしないように注意すること。人は誰でも、自分の話を従って入れのですから。会話は、ボールゲームのようなものです。サッカーでもバスケットボールでも、ひとりでボールを独占していたら、次からは遊んでもらえなくなります。

 みんなで話しているとき、自分がどれだけ話をしたのか、常に意識していることも必要です。特に、大勢で話しているときは、発言しない人により多くの意識を配ってください。おとなしい人は無視されがちですが、同じ場にいることに敬意を払って、その人にも (注2) 話を振らないと。

 つくづく思いますけれど、会話ほど,個人のレベル差が大きいものはありません。充実した会話をしたいのであれば、それなりの準備や練習は必要なのです。私は練習することで得るものは大きいと思いますよ。その中に、人生を変える出会いや幸運が (注3) 潜んでいるのではないでしょうか。

 

(注1) クラッシュする:衝突事故を起こす

(注2) 話を振る:話す機会を与える

(注3) 潜んでいる:隠れている

 

1 会話の技術は、運転技術とよく似ていますとあるが、この文章ではどんなところが似ていると述べているか。

1 運転で他の車に注意が払える人は会話でも他者に敬意が払えるところ

2 会話も車の運転も技術が高ければ仲間と楽しい時間を過ごせるところ

3 会話も車の運転のように他者とペースを合わせることが求められるところ

4 車の運転で事故を起こさないひとは会話も同じように慎重に進められるところ

 

2 うなずきながらエンジンを温めとあるが、ここではどういうことか。

1 人の話に軽く返事をしながら車のエンジンを温めること

2 自分の話を聞いてもらいながらグループの話も聞くこと

3  まずは人の話を聞きながら会話に加わる準備をすること

4 静かに自分の話しをしながら次の話題に移るのを待つこと

 

3 みんなで会話をしているときには、どうのような注意が必要だと述べているか。

1 人文の発言量を意識しながら、おとなしい人にも話してもらうようにすること

2 発言が少ない人やおとなしい人の話をよく聞き、それに答えるようにすること

3 ふだん発言しない人も、みんなのはなしをよく聞いて会話に参加するようにすること

4  おとなしい人も、大勢で話すときは意識して他の人に話しかけるようにすること